2010年3月24日水曜日

地域の力と中学の力

ご多分にもれず、うちの地域も中学受験が流行っている。
流行っていると言う言い方はあまり良くないかもしれないが、
たぶん・・「周りが中学受験をするから」
「よそのお子さんに負けたくないから」と言う部分も多いんじゃないかと感じる。

公立中学がよくないから(これは実際に見に行ったわけでもなく)
近所で子どもたちがたむろしていてガラが悪いから(これは昔からある部分かも)
私学に行ったほうが塾に行かなくても大学に行けるから
(これも行ってみないとわかりません)
いろいろ言われる方もいらっしゃるのですが、
地域で育つと言う部分を公立中学は持っていて、
学校から卒業をした後は、
社会・・地域で生きていくわけだから、
公立の地元校に行くって言うのも・・ありだと考えてみることもいいんじゃないかと思う。

実を言うと上の二人の子どもを育てていて、
中学受験を考えなくもなかった。
実際に私立中学の見学に行ったり、
どうかな?と探りを入れてみた・・のだけど、
子どもが踊らなかった。

と言うわけで、
大学生娘は公立中学→私立高校→私立大学で建築を学んでいるのだけど。
これまた、大学で中高一貫の私学から(というか付属校から上がっている子もいる)
入学してきている子たちもどっさりで、別に普通な子もいるのだけど、
「変なプライド」が高い子が結構いるらしい&地域で生きている自分と言う部分に対して
感覚が薄い・・。地元であまり遊んだ感覚が残っていない
(4年生から放課後は塾だとそうなるのも仕方がないかも)
となると、街づくりとかが仕事の人たちには・・困るわな・・ほんまに。

高校生息子1は公立中学→公立高校でまあ、自分の世界を徐々に広げつつあり、
今も春講習で街に出てみたり・・社会化しているわけだ。

子どもはその子その子にもよるのだけど、
生まれて自分の周り、家族、友達、学校・・・と社会が広がっていくわけで、
そこで社会化していくわけ。

どんどん広げるのが上手な子もいるけど、
だいたいの場合、徐々にしか広げることができない。(とくに男の子)

でもって、トレンドで中学受験・・と思っている子どもさんの親御さんは、
小さい時からかごの鳥にして育てている傾向が強いかもしれない・・
で小学校高学年でまたかごに入れ、受験コースを歩ませてしまうと・・
社会化する時の発達手順が・・よれよれになってしまう。

そんなことを考えた時に
地域での自分のポジションを確立できている子どもの方が
大人になった時もいろいろなところで、自分の位置を確立しやすいのじゃないかと思うのだ。

まあ、転勤族で新興住宅街で育ったいる人たちは(とくに高度成長期時代)
もともと地元感覚が薄いので、
地域が大事とあまり感じないから中学受験って考えやすいのかもしれないけどね。

私自身も独身時代はあまり地域が重要だと感じたことがなかったけどね。

で・・そんな私が子育てと並行して、
実際地元で小学生中学生相手に私塾を開いてみたり、
高校で教えてみたりする中で、
地元中学の重要な部分をむちゃくちゃ感じるわけ。
でもって地域の力も感じるわけ。

地域が大事。
そこで自分の脚を使い、体で遊んだことのある子は、
必ず、自分の道を見つける。
それは親が望む道とは違うかもしれないけど、
自分の頭で考えるわけだ。

だから私は仕事と並行して、
家庭文庫がサイエンスなカフェが必要だと思うのだ。

地域で生きている自分を体感している子は
何があっても、少々やんちゃでも、
大人になるとちゃんと自分の脚で生きているのだ。

娘が小学校の同窓会でいろいろやんちゃだった子が
卒業後ご両親のご都合で、隣町に引っ越しをしたけれど、
その街で地に足をついた生活を送り、
ちゃんと友達を作り、その地域の高校に行き、
自分の道を見つけて、しっかり生きているのを見て、素晴らしいと感じたらしい。

その反対側に中学受験をして地域から見えなくなってしまった子が
親と親戚からいろいろと進路のことを指示されて、
結局、進路が見えなくなってしまい、娘の大学の後輩になるらしいことを聞き、
親に「これだけ金をかけているのだから40代で○○万円の年収をとれなければ、
お前は人間の屑だ」と言われているらしい・・と聞いてきた。

そんなことを思いながら、
3歳から14歳までの時を過ごした街の中学で同窓会があるらしいとmixiで知り、
その街で過ごしたことが今の私を形作り、
とくに小学校高学年から中学の行動半径が広がったこの街が自分の社会化の原体験を造ってくれていると感じる。
その中で、私学受験をしていった友人は医者になり地域の人に戻って生きているし、
中学受験を否定するわけじゃない・・けど
地域を大事にしないとだめと思うのだ。

地域での自分の立ち位置を構築できれば、
公立とか私学とか・・全然関係ない。

ただ・・公立学校が地域の学校だと言うことを忘れてはいけないのだ。

地域の力は大事なのだ。

だから私は地域の学校で教えたい。

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